全国トップクラスの教員採用実績で知られる岐阜聖徳学園大学。充実した採用試験対策のみならず、その先を見据えた実践教育で、長期にわたり現場を支える教員を多数輩出している。どのような環境の中で「教員として生きる」ための知識と心構えがはぐくまれていったのか?小学校教員として入職10年目を迎える卒業生に聞いた。
取材・文 小坂太祐(大学通信)
先生に憧れ、「教員になれる」教員養成系大学を目指す
――教員を目指したきっかけは?
中学生時代に尊敬できる先生と出会ったことがきっかけです。いつも「一生懸命に努力すれば絶対に自分の力になる!」と励ましてくださる熱い方で、そのような指導があったからこそ、部活や高校受験を全力でやり切ることができました。
このような経験から「生徒の心を動かし成長へと導く」教員という仕事の魅力や大切さを実感し、私も目指すようになりました。
――大学受験の際、志望校選びはどのように進めましたか?
教員になると決めていたので、志望校は教員養成系の大学に絞りました。中でも岐阜聖徳学園大学の教員就職率の高さは魅力でした。加えて、オープンキャンパスに伺った際に就職課の方から「絶対教員になれるから、ぜひ岐阜聖徳に来て! 待ってるから!」と情熱的な言葉をいただいたことも強く印象に残っています。
熱意ある人たちに囲まれ、「現場で生きる」教育を学んだ学生時代
――岐阜聖徳学園大学からは教員を志望する学生の団結力を感じます。
そうですね。教育学部の学生はみんなが教員を目指す強い意思を持っています。性格も真面目でしっかりしている人が多く、なにより「同じ目標で繋がっている」という仲間意識がとても強いので、高いモチベーションを保ちながら勉強に励むことができました。
――教育学部は実践を通して教育を学ぶ機会が多いと聞きます。
一方的に講義を聴くタイプの座学ではなく、「教育現場で働いている自分」が想像できる授業が数多くありました。例えば、国語の教科書を使って指導案を作成したり、図工だとまず自分で絵を描いて、そこから教え方を探ったり……。全てが現場に生きてくると感じられたので、いつも楽しく前向きに取り組んでいたことを覚えています。
――小・中学校を訪問する機会も多いそうですね?
はい。やはり、現場で体験しないとわからないことはたくさんあります。日常的に教育現場と接することができる環境のもとで、実践的な学びを深めていけたことは自身の成長に深く繋がったと感じています。
最終的な校種選択の決め手となったのも教育実習でした。私は入学当初、中学校教員を志望していたのですが、教育実習を通して小・中学校の特性や違いを肌で感じ、自分の適性や想いと突き合わせていった結果、小学校教員として採用試験を受けることに決めました。今年でちょうど入職10年目になります。あのとき頻繁に現場を見る機会があって本当に良かったと思いますね。
――教員採用試験へ向けてのサポートはいかがでしたか?
各自治体の採用試験のデータが豊富に揃っていることはもちろん、面接対策の授業や東京アカデミーとの連携講座なども充実していて、非常に手厚くサポートをしていただきました。
面接対策では長年教員として学校に勤務されていた方が講師となり、入室から退室まで丁寧にポイントを指導してくださいました。また、自主的に「面接対策ノート(左写真参照)」を作ってフィードバックなどをまとめていました。
苦手だった小論文も合格点をもらえるまで就職課に通い詰めて指導していただきました。授業が終わった後は、有志の学生で集まって自主的に模擬面接をしていましたし、教員採用試験前になると大学の図書館は私のような学生でいっぱいでした。
このような教職員と学生が一丸となって教員を目指す姿勢が、高い教員採用実績とその後の心構えに繋がっているのだと身をもって実感しました。
本当のゴールは「教員として生きる」こと
――教員採用試験合格後は大学でどのように過ごされましたか?
採用試験に受かることがゴールではありません。合格後は本格的に「教員として働くため」の勉強を続けました。教育現場でボランティアをする「学校インターンシップ」という制度を活用したこともそのうちの一つです。
現場の先生に密着しながら、授業の進め方や行事運営、さらに児童を指導している姿まで見せていただき、入職前から現場での動き方や心構えなどを学ぶことができました。
――入職後の様子はいかがでしたか?
実際に教員として勤務するようになってみると戸惑うことも多く、周りについて行くだけで精一杯でした。初年度に受け持った児童が校外でトラブルを起こしてしまい、保護者らへの対応に追われるなど、イレギュラーの連続でした。
ただ、生徒指導の方法や授業の進め方、子どもの心理などは大学時代に講義と教育現場から学んだことをそのまま生かすことができたので、戸惑いながらも大変な時期を乗り越えることができました。教員を続ける上で大学時代から現場を知っていることは大きなアドバンテージになります。
――最後に高校の先生や受験生にメッセージをお願いします。
教員は子ども達の成長に関わる責任ある仕事なので「なりたい!」という想いだけでは務まりません。その熱い気持ちに加えて、しっかり大学で知識や経験を身につける必要があります。
岐阜聖徳学園大学には「教員として生きる」ための学びを得る環境が整っています。真剣に教員を目指している方にはぜひ来て欲しいです!