文系の就職活動は都心の大学が有利なのが定説だ。そんな中、地方大学でありながら手厚いキャリアサポートにより毎年全国トップクラスの高い実就職率(*1)を達成しているのが岐阜聖徳学園大学の経済情報学部だ。その秘密を探るべく、4年生で就職内定者の坂巻紘樹さんにインタビューを行った。
経済系学部では全国トップクラスの実就職率
――坂巻さんが岐阜聖徳学園大学の経済情報学部に進学した理由を教えてください。
実は消極的な理由からなのですが、第一志望だった東京の大学に不合格になってしまったからです。ただ、私は大学に入ることよりも、その先の就職のことを強く意識しながら受験校を選んでいました。父が不動産業を営んでいたこともあり、高校時代から職業について考える機会が多く、将来は営業職で働きたいというイメージをもっていました。
併願校はいくつか合格していましたので、その中でも特に文系の就職に強い大学・学部(*2)に進学をしたいと考え、岐阜聖徳学園大学の経済情報学部に進学しました。実際に入学してからも就職に力を入れている大学だと感じましたし、私自身も第一志望の企業から採用の内定をいただくことができたので良かったと思っています。
――入学時の印象を教えてください。
入学式で初めてこの岐阜キャンパスを訪れました。その時の印象は、思っていたよりも小さいな(笑)と。
ただ、コンパクトなキャンパスなだけに他の学生と顔を合わせる機会が多く、友人は自然に増えていきました。教職員の方とも触れあう機会が多いので、みなさん学生の顔と名前を覚えてくれています。
――経済情報学部の実就職率は今年も高い水準(*3)でした。どんなところにその理由があると思いますか。
就職課の方の手厚いサポートの賜物だと思います。私は3年生の10月に就職活動が本格化してから、自己PRと志望動機の添削でそれぞれ20回ほど窓口に通いました。職員の方や外部講師の方がいつでも1対1で、丁寧に納得の行くまで対応してくれたのを思い出します。
また、就職課主催のイベントも数多くあります。その中の1つである就職内定者報告会は、就職活動を終えた先輩方と直接お話ができる内容です。その場で千住金属工業株式会社という会社に内定された先輩と出会い、話を聞く中で興味が湧いてきたことで、最終的に、私も同じ会社に採用の内定をいただくこととなりました。
就職活動を始めたころは、企業のことなど何も分からなかったので、こういったイベントに積極的に参加したことが良かったと思います。
――内定先企業のことを教えてください。
東京に本社を構える、はんだ材料国内シェア1位のメーカーです。全国に営業所があり、シリコンバレーなど世界中に支社もあります。
私は大学までずっと岐阜で過ごしてきましたので、最初は地元企業への就職を希望していました。しかし、就職活動をする中で、『どこで』働くかよりも『どう』働くかが大切だと考え直し、地域に固執せずに全国の会社を視野に入れて就職活動を行うようにしました。
企業選びの軸としては40年50年先も同じ企業で働きたいということを重視し、「この商品だけは他に負けない」と誇れるメーカーを希望していました。千住金属工業が取り扱うはんだ材料はスマートフォンやパソコンなど身近なところで使われており、目立たないながらも人々の生活を支えているという点でも働き甲斐のある企業だと思います。
実戦力を鍛える1泊2日の就職合宿
――採用試験で特に役立ったプログラムはありますか。
1泊2日の就職合宿です。3年生の12月と2月にそれぞれ実施され、私は両方に参加しました。合宿では特別講師の方による面接対策を集中して行います。最初は何をしたらいいか分からず戸惑ってしまいましたが、模擬面接を繰り返し受けて、その都度講評を聞いてブラッシュアップしていくことで、最後には想定外の質問も含めてどんな質問にも自信をもって答えられるようなりました。
また、私たち経済情報学部の学生は4年間岐阜キャンパスで学びますが、合宿には教育学部、外国語学部に所属する羽島キャンパスの学生も参加します。初対面の学生もいる中でグループディスカッションの対策ができたことも大きかったと思います。
合宿は自由参加ですが、参加した友人たちはみな満足のいく成果を得て就職活動をやり遂げました。後輩たちにも参加してほしいプログラムです。
――社会人になるにあたっての意気込みを聞かせてください。
営業職で採用内定をいただきました。モノを売るためには、まず自分自身が自社製品に関してしっかりと勉強し、知識を身につけていかなければなりません。初めは分からないことばかりだと思いますが、自分なりに考えて答えを出して、失敗しながらでも成長していきたいと考えています。
――最後に、受験生の方にメッセージをお願いします。
岐阜聖徳学園大学の就職課の方は、みなさん面倒見の良い方ばかりで、とてもお世話になりました。私自身、最初は第一志望ではありませんでしたが、今では本当に来てよかったと思っています。卒業後の就職まで意識している受験生には、ぜひお勧めしたい大学です。
千住金属工業株式会社( 本社:東京都足立区)
1938年に、金属製品のメーカーとして誕生。テレビが一般家庭に普及し始めた1953年、テレビの配線組立を飛躍的に容易にするスパークルはんだを国内で初めて開発し、一躍はんだメーカーのトップになる。その後も、画期的な製品を次々と生み出し、その技術開発力は全世界で認められている。近年では、半導体などの微細接続用のはんだボールを開発し、世界中の半導体メーカーに提供。
(*1)実就職率=就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で算出(*2)坂巻さんが受験生だった2013年当時は、08年に起きたリーマンショックによる世界同時不況の影響もあり、大学生全体の平均実就職率は79.4%に留まった。そんな中、岐阜聖徳学園大学経済情報学部の実就職率は92.7%で経済系学部では全国3位だった。(*3)17年の実就職率は95.9%で同5位。(大学生全体の平均実就職率は87.6%)